「友だち・人づきあい」に向き合った偉人たち

友だちやまわりの人との関係がしんどい。 同じ悩みと向き合った日本の偉人13人の人生物語を読めます。
もっと具体的な悩み
- いじめられる・からかわれる (1人)
- 親しい人とけんか別れした (3人)
- 裏切られた (1人)
- ねたまれる・足を引っぱられる (2人)
- ライバルに負けたくない (3人)
- 人に合わせすぎてしまう (1人)
- 師匠・先輩とぶつかる (4人)
この悩みを抱えた偉人
- 福沢諭吉 — 平気なふりをする人
酒がもらえるならと、泣かずに頭を剃らせた子どもがいた。うれしいことも腹の立つことも顔に出さない、と決めたその人は、身近で世話をした人の目には、喜びも怒りも隠さず外に出す人に見えていた。かつて一万円札に描かれた人の、強がりの一生。
- 人見絹枝 — 超然となんか、できなかった
「負けたとき、日本の人はどんな顔で私を見るだろう」。19歳で、たった一人スウェーデンへ向かった彼女は、それがいちばんこわかった。超然となんかできなかった、日本で初めての女性メダリストの物語。
- 石川啄木 — 正直な嘘つき
「あの頃はよく嘘を言ひき」と、彼は自分で歌に書いた。結婚式をすっぽかし、友に借りては暮らし、家族を待たせた男は、やがて飾らない言葉だけを書くようになる。暮らしのほうは、最後まで変わらなかった。
- 嘉納治五郎 — 疲れた、と言わない人
「今の手は、どうしてかけるのです」。聞くたびに、答えのかわりに投げられた若者がいた。体は小さく、負けず嫌いで、家のことは妻に任せきり。77歳の船の上でも、苦しくはない、と答えたと伝えられる、柔道の生みの親の一生。
- 北里柴三郎 — 言うことを聞かない人
「医者と坊主は、手足のそなわった一人前の人間のやる仕事ではない」。そんな意気込みだったと伝えられる青年が、方便のつもりで医学所に入る。やがて彼は上役にかみつき、恩師の説を斬り、研究所を役所に移されると部下ごと辞めてしまう。人の言うことを聞かない男が、最後に守った言いつけとは。
- 空海 — 言葉で勝ちすぎた人
二十四歳で、自分の分身を「頭は銅の盆、顔は土鍋」と書いた若者がいた。言葉で親族を言い負かし、言葉で異国の役人を動かし、言葉で親友を失った。のちの弘法大師の、意地っぱりで不器用な一生。
- 牧野富太郎 — 惜しまなかった人
「お金を惜しむ者は、植物学者になれない」。二十歳のころそう書いた酒屋の一人息子は、家の財産を草に注ぎ込み、執達吏が家財を押さえるそばで植物の記事を書いた。その暮らしを支えたのは、夫を「道楽息子」と冗談に呼んだ妻だった。
- 正岡子規 — 欲張りな病人
「病床六尺、これが我世界である」。友に蒲焼の勘定を回し、選んだ弟子に断られ、痛ければ叫んだ。それでも死の五日前の朝には庭を眺め、納豆売りを励ました、欲張りな俳人の物語。
- 宮本武蔵 — 世に逢わなかった名人
「勝ったのは、兵法を極めたからではなかった」。一度も負けなかった男は、六十歳でそう書いた。どこにも仕えず、子どもに臆病と笑われ、殿様の前で絵をしくじった人の、強がりな一生。
- 紫式部 — 一の字も書かない人
「一という字さえ、書きもしません」。そう書いた人が、とても長い物語を書いた。父に嘆かれ、宮中で陰口をたたかれ、隠しつづけたことを、最後に一通の手紙に書いて「お読みになったら、すぐに返してください」と頼んだ人の話。
- 中原中也 — 憎みきれない人
恋人が親友のもとへ去る日、彼は彼女の割れ物を、その男の家まで届けた。「私の敵の男」と書いたその人に、十二年後、最後の詩集を託す。三十歳で逝った詩人の、口惜しくて憎みきれない一生。
- 二宮尊徳 — 取り戻して、手放した人
「お前には家もない。田畑もない」。伯父にそう叱られ、着物で灯を覆って本を読んだと伝えられる少年。十七年かけて買い戻した田畑を、やがて自分の手で売り払った。薪を背負う像で知られる人の、像にはない一生。
- 野口英世 — 返しきれない人
左手のことを書いた作文に、級友が10銭ずつ出し合った。その日から彼は、借りては使い果たし、また頭を下げ続けた。かつて千円札に描かれた人の、格好悪くて憎めない一生。